2018年7月17日 豊島将之八段初タイトル獲得 豊島将之棋聖の誕生

豊島将之八段 初タイトル獲得
先日、2018年7月17日豊島将之八段が第89期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負を制し、
初タイトルを獲得した。豊島将之棋聖の誕生である。
将棋ファン達からは「遂に」、「やっと」、「ようやく」といった声が多かったように思う。
豊島棋聖は幼い頃から強さを発揮し、将来を嘱望されていたそうだ。
小学3年生で奨励会に入会し、史上初の小学生棋士誕生の期待がかかっていたという話も聞く。
16歳でプロ入り(ちなみに史上初の平成生まれのプロ棋士)後からこれまで高い勝率を維持し、対局内容も強く、好成績を残している。
現在、順位戦はA級、竜王戦1組とどちらも最上位クラスに在籍している。
しかしながら、あと少しのところで負けてしまうことが多く、タイトル獲得や一般棋戦優勝に手が届かない期間が長かった。
これまで一般棋戦優勝1回、タイトル戦登場6回、タイトル獲得1期という成績を残している。
一般棋戦優勝はプロ入り10年目。タイトル獲得はプロ入り12年目、タイトル初挑戦から8年後だった。
谷川浩司先生*1は「豊島は必ずタイトルをとる」と久保利明先生との対談で語っていたそうだ*2。
また、他の棋士の発言からも豊島棋聖の強さは認められているように感じた。
豊島棋聖は世代を代表する棋士と言われることもある。
それだけに、同世代や下の世代がタイトルを獲得すると将棋ファンからは「豊島より先に獲るとは」と言われた(プロ棋士の方がこのようなニュアンスの発言をしている場面を一応見たことはありますが今回は省略します。) 。
また、その強さと好成績を示しながらもタイトルを獲得していないことから「無冠の帝王」と呼ばれることもあった。実際に産経ニュースWESTの公式Twitter(2018/5/14)で使用された。
話は少し変わるが、豊島棋聖は人気棋士の1人だと思う。
おそらく、強くて真面目、そして謙虚な性格だからだろう。
もしかしたら、細身で童顔な容姿も関係しているかもしれない。
愛称は「とよぴー」、「とよしー」、「きゅん」がある。
とよぴーは少なくとも奨励会時代に周りから呼ばれていたようだ(関西将棋会館道場ブログ(2006/8/3)、山崎隆之八段談などより)。
とよしーは小学生時代から周りに呼ばれていたらしい(本人談より)。
きゅんはおそらくプロ入り後、ファンの間で呼ばれるようになったのだろうと思う。由来は可愛いからかと思われるがはっきりとは断言できない。
本人もきゅんと呼ばれているのは知っているようだ(西遊棋実行委員会の公式Twitterより)。
本人にとってもファンにとっても悲願だっただろう、初タイトル。
しかし、人とは欲張りなもので、タイトルを獲得するとすぐその次を期待してしまう。気が早いようだが、複数冠や永世称号の獲得なども含む。
私はその1人だ。とりあえず今は、豊島棋聖の対局の一つ一つが充実した内容となることを祈っている。
格好良く締めたいところだったが、これだと今期の王位戦のことを指しており、豊島棋聖を応援しているようだと思った。
今期の王位戦、両対局者とも応援している。そして、その内容が充実したものとなることを願っている。
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初タイトル獲得の記者会見で印象に残った言葉
個人的に印象に残った言葉をまとめた。
この会見では大部分が豊島棋聖の本心を率直に答えていたように感じた。
そして、タイトルを獲ったからこそ質問できた内容、答えた内容があったように思う。
(記者会見時の質問に対する答えを文章化するにあたり、言葉を省略するなどしてまとめた部分があります。)
「20歳の時に初めてタイトル戦に挑戦して、そのあと8年近くかかり、長かったけど諦めずにやってきて良かった」
「そもそもタイトルを獲れるのかどうか、獲れないまま終わってしまうのではないかという気持ちもあった」
「子どもの頃から好きで始めた将棋だった。将棋が純粋に楽しいというのがあった。そう思えない時期もあった」
「25歳あたりから今まで辛かった」
「これまでは勝負にかなりこだわって指してきていたので、もう少し自由な感じの内容の将棋を指したい」
豊島棋聖の名言
「将棋は本当に楽しいです。昨日負けた私が言うのですから、間違いないと思います」
(2011/1/10)
第60期王将戦七番勝負第1局で敗れた翌日、ジュニア将棋大会にゲストで呼ばれた時の挨拶。
豊島棋聖の名言として広く知られる。
のちに「3月のライオン」11巻発売記念ポスターに使われた。
「私はどちらも応援しません」
(2018/4/13)
第3期叡王戦決勝七番勝負第1局前夜祭での発言。
この前の月の3月、豊島八段(当時)は第76期名人戦・A級順位戦プレーオフ(史上最多の6者プレーオフ)や第67期王将戦七番勝負を含め、過密な対局日程だった。
結果はプレーオフは4回戦で敗れ名人戦挑戦権を獲得できず、王将戦は第6局で敗れタイトル獲得はならなかった。
第3期叡王戦は両対局者ともタイトル戦初登場であり、どちらかが初タイトルを手にするという状況だった。
そのことに対して山崎隆之八段が「羨ましいですよね?」と豊島八段に振った。
前の月の結果も踏まえて周りはほんの一瞬戸惑ったが、豊島八段はすぐに「そうですね、私はまあどちらも応援しません」とほんのり笑顔で返した。
この発言を受け、場内は笑いに包まれた。
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おまけ
盤外での話題にも事欠かない豊島棋聖。ただし、本人ではなく周りが起こしている。
「豊島?強いよね。序盤中盤終盤隙がないと思うよ。」(2012/4/22放送)
第62回NHK杯将棋トーナメントの対局前インタビューでの対局相手の発言。
その際の口調と動きのインパクトが強く話題になった。
対局は豊島六段(当時)が勝利。
しばらく「序盤中盤終盤隙がない」、「駒たちが躍動する将棋」というフレーズをさりげなく使うことや大胆に使うことが流行った。
ちなみに「序盤中盤終盤隙がない」はそれまでにもよく使われているフレーズである。
豊島棋聖本人も第63回NHK杯の解説(2014/2/23放送)でこのフレーズを使う。
ペンギンのイラストとともに「序盤、中盤、終盤、隙がありません。」とプリントされたTシャツ(非売品)を持って笑顔で写真撮影をする。
上記の叡王戦前夜祭のプレゼントキーワードに「序盤中盤終盤」を選ぶなどしている。
対局相手が現れず不戦勝(2016/10/30)
第2期叡王戦本戦で対局相手が現れず不戦勝となった。
この対局は、予定通りニコニコ生放送でインターネット中継された。
対局相手の棋士は対局時間を勘違いしており、気がついた時には既に間に合わない時間だった。
対局開始時間直前になっても対局者が現れない状況で、豊島七段(当時)は自分側の駒を並べ、相手側の駒を並べる。
その後、対局開始時間になっても対局者が現れることはなく、対局相手の既定の持ち時間1時間が消費されるまで、
途中で対局相手が来ないと伝えられても、ほとんどの時間を正座で過ごした。
持ち時間が消費され不戦勝が成立したのち、駒を片付けた。
対局中に警報音が鳴る(2018/7/17)
第89期ヒューリック杯棋聖戦最終局の対局中、対局場のホテルの警報音が鳴った。
この日ホテルでは避難訓練が実施されていた。
当初の予定では警報音は鳴らさない予定だったが誤って鳴ってしまった。
対局は一時中断され、安全が確認された数分後再開された。
記者会見時、そのことについての質問をされたポーカーフェースな豊島棋聖は、会見の中で1番の笑顔を見せた。
おわりに
今回は、豊島棋聖が初タイトルを獲得した際に感情が沸き上がったのでまとめました。
ただ、文章にするのが下手なため、時間がかかってしまいました。
豊島棋聖が初タイトルを獲得したのはもう半月前のことですね。
結果的に将棋ファンから見ると薄っぺらく、将棋ファンでない人には何が伝えたいのか分からない内容となってしまいました。
同世代の人が1つのことに対して頑張っている姿勢、諦めない姿勢には胸を打たれました。
自分も頑張らなければと思いました。まだ何をどう頑張るかすら分かっていない状態ではあるけれど。
最後に、
あまり、まとめるのが得意ではないので私自身が意図していない捉え方をされてしまうかもしれません。
今回書いた内容はできるかぎり、日付などを記しましたが内容などを含め間違っている部分がある可能性があります。
その場合、コメントやTwitterで指摘してくださるとありがたいです。指摘され次第、修正します。
単語などもできるだけ注意しましたが間違ってる部分があるかもしれません。ご指摘くださると助かります。
*1:将棋にあまり詳しくない方に簡単に解説:史上2人目の中学生棋士、史上最年少名人、十七世名人の資格保持者、タイトル通算獲得27期歴代4位など挙げると簡単には収まらない数々の記録、成績を持っている強い棋士
*2:この対談がいつのものか分かりませんでした。分かり次第、追記しようと思います。
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